産業経済委員会の県外行政視察が1/27~1/29の3日間にわたり行われました。
1.ウイングウィン岡山
視察テーマ:航空機関連部品の共同受注の取り組みについて
ウイングウィン岡山は、航空機関連部品の共同受注のための中小企業の連携体組織。平成16年に発足し5年を経過している。1年ほど前に日経新聞の中小企業関連の連載記事で紹介されて以来、いつか訪問し、活動の実態をこの目で見てみたいと考えていて、この機会に視察日程に組み入れた。
航空機産業の需要は、今後20年間で約200兆円が見込まれており、その航空機部品の約30%を日本の大手航空機部品メーカーが受注している。
ウイングウィン岡山では、今後、5軸加工機などの最新鋭設備を導入し、グループ内での設備や技術を補完し合い、新素材にも対応しながら産学官の連携のもと複合加工受注を目指している。
三条市内でも、金属加工の各技術ではトップクラスのものを持ってはいても、それぞれの技術工程を組み合わせることによって完成するユニットとして受注できる企業がほとんど存在していないという課題を抱えている。これは全国の中小企業が同様に抱えている問題であり、ウイングウィンの取り組みはこの問題に対応する一つの有力な取り組みといえる。
ただし、5年を経過した今でも受注額自体は目覚しいほどのものではなく、これは、ウイングウィンの内的な問題と、航空機産業の閉鎖性という外的な壁も存在している。
その壁の内容についてはここでは記さないが、そのハードルが高く道のりが険しいことが予測される中にあっても、お会いしたウイングウィン岡山の皆さん(各企業の方々)が非常に前向きに取り組んでおられる様子に非常に感銘をうけた。
また、岡山県産業振興財団(新潟県で言うところのNICO新潟産業創造機構)が事務局として強力にサポートしており、政治の中小企業への支援のあり方として非常に好感が持てた。本来、県の支援のあり方として、セーフティーネットとともに、頑張っている企業もしくは企業群を支援するべきと日頃から考えていたが、まさにそのような取り組みであった。
岡山県産業振興財団があるテクノサポート岡山、ここには、技術支援センターも入居している。ソフト支援と技術支援の双方が一箇所で行われている。
(新潟県では、NICOは万代島に、工業技術総合研究所は鐙にと分かれている。)

説明を受けている様子。
2.尾道市議会
視察テーマ:
①しまなみ海道に係る広域観光連携の取り組みについて
②フィルムコミッション、フィルムツーリズムの取り組みについて
①しまなみ海道とは、本州四国連絡道路尾道今治ルートのことで、広島県と愛媛県にまたがる沿線市町で連携し関係25団体で「瀬戸内しまなみ海道振興協議会」を設置し、観光振興に取り組んでいる。新潟県においても昨年から、隣県と連携して「雪国観光圏」の取り組みをスタートしているが、先進事例として学ぶべきところがあるのではと視察を行う。
ただし、しまなみ海道の全線開通時には全国的にも注目され多くの観光客も訪れていたのだが、近年は必ずしも取り組みはうまく機能していない様子。県が作ったフラワーパークなどの幾つかの施設の中には閉鎖に追い込まれたものもあり、安易に施設を作れば人が集まるという単純な図式は通用せず観光振興はうまくいかない。新潟県においても過去に「新潟ふるさと村」で同様な経験をしている。
②フィルムコミッション、フィルムツーリズムについては、尾道という絶好のロケーションを抜きには語れない。すぐに新潟県内のどこかに移植できるようなものでは無いことは当然だが、フィルムコミッションという言葉がポピュラーになるずっと前からの市役所職員の地道な取り組みがあって現在のように全国から注目されるようなフィルムコミッションに発展してきた経緯をよく理解できた。

尾道市役所別館にて観光課長さんより説明を伺う

隣接する尾道映画資料館を見学。

実際にしまなみ海道を通って今治市へ。
3.四国タオル工業組合~タオル工房館
視察テーマ:「今治タオル」のブランド販売戦略について
クローズアップ現代やニュースステーションでも取り上げられ、注目を集めている「今治タオル」の取り組みを視察。
元々、今治は大阪の泉州タオルと並んで日本の2大タオル産地だったが、安価な中国産タオルの輸入により企業数、出荷額ともにピーク時の約5分の1に落ち込んでいる。この状況を打破するために、産地一丸となってブランド戦略に取り組んでいる。
始まりは、2006年に中小企業庁による「JAPANブランド育成支援事業」に手を挙げてのスタート。「ブランディングプロジェクト・クリエイティブディレクター」にアートディレクターの佐藤可士和氏を迎え、伊勢丹新宿店で常設販売を実現、タオルソムリエ資格の創設、タオルマイスター制度の構築、産地ブランドとしての海外見本市出店など、毎年成果を積み上げており、産地ブランド構築のトップランナーとなっている。
産地だけで頭をひねるのではなく、佐藤可士和氏のような外部人材の力を有効に活用していることが成功の秘訣だが、ブランドの確立・向上に向けて産地独自の品質基準を設けたりマイスターの養成や資格奨励など取り組みは、核となる企業経営者を中心に産地企業がまとまり、自ら意欲的に取り組んでいる証左であり、高い将来性を感じた。
ウイングウィン岡山と今治タオルの視察を通じて感じる事は、国や県の支援事業を受けての取り組みはえてして支援期間の終了とともに先細りとなるケースが多いが、成功できるか、また、継続していけるかどうかは産地や業界団体、企業の取り組み方次第である。また、一中小企業の力にはどうしても限界がある中で、外部人材の登用、産地内での連携、協力がキーワードであるということ。

まずはPR用のDVDを見てから説明がスタート

具体的な中身について質問

タオル工房館を見学中に更に質問

販売コーナーに移動し、実際に製品を手にとって更に質問(ちゃんと購入もさせていただきました)
4.内子フレッシュパーク からり
視察テーマ:農産物直売所を活かした地産地消と観光客誘致の取り組みについて
「内子フレッシュパークからり」は平成8年に開設され、内子町と地元農家等が出資する第3セクター((株)内子フレッシュパークからり)が運営している。開設以来、毎年国、県、町の支援事業を取り入れ、ITの活用やジェラートやパン工房、レストランなどの加工品も手がけるなど規模を拡大し、現在では、資本金7000万円、従業員数53名、年間利用者数50万人、農産物の年間売り上げ4億6千万円と、農産物直売所の超成功事例となっている。
ただし、今回視察した岡山や今治の中小製造業の取り組みと比較すると、国、県、町からの支援額が桁違いに多く、支援がなければとてもここまでは出来なかっただろうというのが素直な感想。今後、更に発展成長させていくためには売り上げから得た利益で投資を継続する仕組みづくりが課題ではと感じた。

地元産農産物の直売コーナーにて
地元産農産物を使ったジェラート販売コーナー。
干し柿、かぼちゃ、柚、いちご・・・・値段はシングルで250円とお手ごろ。お勧めを聞いたら今の時期は干し柿と柚とのことで双方をいただきましたがこれがまたなかなかのお味。

パンの販売所。ちゃんと奥で焼いている。食パンが大人気とのこと。