産業経済委員会の県内行政視察が、4/14、15の2日間に渡って行われました。
今回視察した場所はすべて糸魚川市内、ということで、県庁から北陸自動車道を利用して約2時間(新幹線なら東京についてしまいます)を移動。強風で大荒れの海辺の町の様子や、こちらではまだ開花していないソメイヨシノが既に満開の様子、選挙区である三条市や周辺の県央地域、県都新潟市周辺とも全く違う風景に、あらためて本県の広さを実感します。
しかし、県会議員でいるからには、やはり県全体を俯瞰する視野が必要である事はいうまでもなく、大変有意義な視察となりました。
1.サミット明星パワー㈱糸魚川バイオマス発電所
視察テーマ:木質系バイオマスの有効活用の取り組みについて
施設概要
こちらは、2年前の厚生環境委員会でも視察させていただいた。サミット明星パワーさんの糸魚川バイオマス発電所は、発電所の主原料に建設廃材などの木質系バイオマスを利用して、最大発電量5万キロワットを実現する国内初の本格的なバイオマス発電事業。
発電された電力は明星セメント㈱糸魚川工場の需要を賄うとともに、首都圏を中心とするスーパーなどの電力需要家向けに供給されている。
建設廃材などの木質系バイオマス燃料を計画的に再資源化し有効利用して発電すること等、CO2の削減に大きく寄与している。また、発電所から発生する燃料灰は同一敷地内にある明星セメントの工場にて、セメント原料として有効利用されており、新たな廃棄物の発生を抑えた自己完結型の操業も実現している。
視察を終えて
現在バイオマス発電所は小さいものも含めて全国に約40箇所、こちらと同規模のものは別に3箇所。こちらの場合、「アジア有数の石灰岩鉱床である田海鉱山を背景にもち、自治体や各産業からでる廃棄物を高温燃焼によって再利用することが可能なセメント工場」とセットで始めて機能しているという点がポイント。
ただし、景気の後退や、公共事業の削減によってセメント需要そのものが低迷してきており、廃棄物の処理量も今後低下していくことが懸念されている。
また、これまでは2003年に施行されたRPS法によって、こちらの木質系バイオマス発電のような新エネルギーによって発電された電力については、電力会社が一定割合購入することが義務付けられていた。これが今後、新政権が策定する太陽光発電等に重点をおいた新エネ法に置き換えられることで、バイオマス発電の法的メリットがどのように変化するのかも不確定な要素となっている。
2.糸魚川市議会
視察テーマ:ジオパークを活用した誘客の取り組みについて
概要
昨年、糸魚川地域は、世界的に貴重な地質、火山、断層などを有する自然公園を認定する「世界ジオパーク」に選ばれた。観光をはじめ地域活性化への期待が高まる中で、地域の取り組みを視察。
糸魚川ジオパーク協議会や市民の会などを設立、市と協議会で交流人口拡大プランを作成。5年計画でガイドブックやリーフレットの作成、市民向けや市職員向けの学習会の実施、ガイドの養成、交通アクセスの改善、携帯電話不感地帯の解消や宿泊施設へのインターネット環境の整備、誘導看板や案内看板の整備・・・etc、数多くの課題を「ひとづくり」と「まちづくり」に整理して地域活性化への取り組みが始まっている。
お話を伺い、パンフレット等の資料を見るかぎり、『これまで地域に当たり前にあったものを市外県外の方にどのように見せていくか』という試み。三条市の「まちあるき」の取り組みに通じるところが多く、というよりも全く同じコンセプトに規模を地域全体に拡大し取り組むものであると感じた。
ちなみに、頂いた「世界ジオパークのブランドを活用した交流人口拡大プラン」という資料の「はじめに」と題した頁の最後には、
重要な事は、世界ジオパークというブランドを手にすることだけに満足するのではなく、それを基に地域の様々な観光・文化資源を組み合わせて、交流人口の拡大に向けた施策を展開し、全市的な地域活性化を図らなければならないことである。
と記されていた。まさにその通りで、こんごの糸魚川市の取り組みに大いに期待したいし、三条市の「まちあるき」をはじめ、県内の交流人口拡大に取り組む多くの地域に参考になることが多いはず。早速、三条市役所の担当部署に資料提供をしていきたい。
3.拓洋水産工業(株)
視察テーマ:遡上サケを利用した商品開発の取り組みについて
概要
拓洋水産工業(株)では、地元の県立海洋高校と連携して、今までほとんど未利用資源だった能生川に回帰するサケを利用した燻製等の加工品の開発及び販路開拓を行っている。事務所にて説明を受けた後、加工の現場を見せていただいた。
元々は、遡上したサケは採卵後は使い道が無く、廃棄されていたものを、海洋高校が授業の一環で燻製食品として開発し試験販売。これを、拓洋水産さんが要請を受けて製品化し、2007年には国の「中小企業地域資源活用プログラム」の認定を受けて更に販路開拓に取り組んでいる。
昨年は、景気対策メニューの支援をうけて、東京での見本市にも出店。大手スーパーからも引き合いがあったとのこと。徐々に販売量も増加しており、特に、これまで廃棄されていたものを資源として活用している点は評価に値する。ただし、採算ベースに乗っているのかは不明。
また、国や県の支援が企業の現場で活かされている様子や、一方で支援のあり方や課題についても一例として見ることができた。(民間企業のことなので、具体的には記載を控えます)