本日お会いしたある企業経営者のお話。こちらは、500人以上の正社員を抱え、世界中に営業拠点をもつ知る人ぞ知る一大、中小企業。(資本金が小さいため分類上は中小企業とされているが、世界中に取引先を持つれっきとした国際企業です) 社長さんは小さな町工場を起業して、一代でこの企業を育て上げた方。国際的な視野で高い見識のもと、しかし、とても気さくにいつもいつも様々なお話を聞かせて下さり、そのたびに私の目からたくさんの鱗を落として下さる方です。。。
その社長さんが、今日お会いしたときに、突然、「日本は、消費税を20%くらいに上げなければだめになりますね」と切り出されました。「中国が日本で物を売るときには、5%の消費税を払うだけでいいのに、日本の企業はまず40%もの法人税を払わなければならない。これでは戦える道理が無い。」「日本のものづくりは、ますます空洞化していきますよ。」社長さんは、日本の人件費が国際的に高いという事は、一切おっしゃらない。この会社の従業員はすべて正社員で、パートや派遣は一人もいない。製造業であるのにだ。以前、そのことを質問したときに、「高い技術で勝負しているのだから、技術を支える人材こそ最も重要な会社の財産である」とおっしゃっていた。そのために、技術者には特に高い給料を出しているとも。
折りしも、数日前の新聞に、日本は先進国の中で最も企業の運営コストが高い、という趣旨の記事も出ていた。社長さんの頭の中には、この記事のこともあったのかも知れない。
しかし、今の日本では、政党が増税を唱えれば必ず選挙に負ける。あの小泉純一郎でさえ、私の在任中は絶対に消費税を上げませんと言っていた。もちろん、今の総理も。
そのことを申し上げ、2大政党制を目指した小選挙区制度こそが、日本を駄目にしているという私の持論をお話した。政治の緊張感を高めて国の迅速な意思決定を可能にする小選挙区制度は、冷戦が終結して世界のグローバル化が一気に進んだあの時代には、一定の説得力を持っていた。だが、ここにきて、弊害ばかりが目立ってはいないか。民主主義は決して理想の政治体制では無い。ただ、社会主義や共産主義よりもましでそれ以外に選択の余地が無いというだけに過ぎない。(チャーチルがたしかそのようなことをもっと過激な言葉で言っていた)だから、民主主義体制の中で、国をよりよく運営していくためには、今以上にもっともっと政治家は知恵を結集する必要がある。いまの国会議員の知恵は、次の選挙に勝つためにばかり使われているように国民には映っている。
消費税を増税をする一番良い方法は、与野党が超党派でまず、国民負担率をどれだけ上げるのかで合意形成を図り、その中で税制や社会保障負担の仕組みの優劣を競う方法ではないだろうか。。。確かドイツがその手法で実現したと、以前、新聞か何かで読んだ気がするのだが。
政治家であれば、法人税の減税が必要な事は誰でもわかってる。ただし、減税した分、どこかで、財源が必要になる。おそらく、それは消費税だと国会議員は(おそらくマスコミも)みんな分かっていることなのに、今のままでは絶対に出来ない。日本経済がが今よりももっともっと駄目になって、取り返しのつかないところまで行ってしまうまで。